地味男子
「俺、蒼井 十夜!! 十夜でいいから♪」

 前から回ってきたプリントを渡す際に蒼井が話しかけてきた。


「澤田 柴乃。よろしく」

「さっぱりしてるんだね?」

「よく言われます。」


 ニコニコと笑ってくる十夜…は、すごく裏がありそうな笑顔をしてる。


「何たくらんでるの?」

「え?」


 私がそう言うと一瞬動揺した十夜はすぐに笑顔に戻った。


「よく言ってる意味がわかんないな…。」

「別に聞かれたくないんならいいですよ」


 そう言ってプリントに目を落とした。



 始業式が終わったら今日は帰り♪


 お昼は家で食べれるし……ラクかも。



 
 花と歩いて帰る。



 家が近いからいっぱい話せる。



 学校は嫌いじゃないし勉強だってそこまで嫌だと思わない。



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