地味男子
　教室に戻ろうと足を進めた瞬間、女子の軍団が押し寄せてきた。


「何っ!?…くるしっ」

「ちょっと祐磨様に優しくされたからっていい気に何じゃないわよ!?」

「は?」

「ファンクラブの会長にでもなってから話しなさいな!!　図々しいのよ!!」


　意味わかんない。


　ていうかファンクラブなんてあるんだ…。

　きょうだいは話しちゃいけないの?


「ちなみに誰?　今のファンクラブの会長さんは…?」

「聞いてどうするの?　交代するんじゃないでしょうね?」

「しないって!!」

「まぁ、いいわ。　今の会長はこの私よ!!」

「へー、あなたが……祐磨のタイプじゃない…。」

「はぁ?　何知ったことのようなこと言ってんのよ!!　ちょっと可愛いからって調子にのらないで頂きたいわ!!」


「可愛い?　誰が……?」


　知ったことって知ってるんだもん…仕方ないよ。


　でも口がすべっちゃった…。



「じゃぁ何?　祐磨様のタイプはあなただって言いたいの?」


「祐磨のタイプをあなた方に教えることは無意味」

「ふざけないでよ!!　あなた、覚えてらっしゃい!?」

「はぁ」



　ついカッとなっちゃった…。


< 59 / 69 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop