地味男子
「ただいまー」

 リビングに入るとソファに座ってるやつ。


「柴乃ー、ハラ減ったぁ…」


 弟の祐磨(ゆうま)。

 高1で私と同じ学校に通ってる。


 髪は遺伝で茶髪だしスタイルもいいし…何気にモテてる。



「待ってて、今から作る」


 両親は海外に出張に行っててあんまり帰ってこないからご飯は私が作る。


 料理は嫌いじゃないむしろ好きだしいいの。



「はいどーぞ」

「頂きまーす♪」


 祐磨は私の作るご飯はぜんぶ残さず食べてくれる。


「ごちそーさま。美味かった。片づけは俺がやっとくから制服着替えてきたら?」

「ありがと」


 何気に仲のいいきょうだいだと思う。



「片付けしといた。 てか、柴乃…メイク濃くない?」

「これでいーの!! メイク濃いほうが不細工な顔が見られないしー?」

「別に不細工じゃねーと思うけど……。」



 ママもパパも美男美女なのに私はどこにも要素ないよ。

 祐磨にはばっちりあるのに……。


< 6 / 69 >

この作品をシェア

pagetop