甘恋
「さみィなぁ~・・・」

手をこすりながら、白い息を見つめる健吾・・・

そんな健吾を真似して、私も、白い息を吐く・・・・

「私手ぇ真っ赤だよぉ・・・・」

そう吐き、自分の手を見て、息を吹きかける・・・

「貸してみ?」

自分の手を、健吾に差し出す・・・・・・・



ギュッ



健吾の暖かい手が私の手に重なって・・・・・・・・

赤くなる私を見て、優しく微笑んで・・・・・

そんな健吾を見て、私も笑って・・・・・

ギュウッと握った手を離さないように、もっと強く握って・・・・

中学生の時と同じ道を二人で歩いた・・・・・・・

「なぁ・・・・椎ィ?」

「んぅ?なに?」

「俺・・・・・」

「うん・・・・?」

「・・・・・」

急に黙りこんだ健吾・・・・・

どうしたんだろぉ?

「健吾・・・・?」

健吾の名前を呼んで、返事を確認する・・・・・・

「なんでもねぇ」

「ぇッ!?なによっ!気になるじゃん~!」

「秘密ぅ~!」

「もぉ~!馬鹿ぁ~!」

「まぁ・・・じき分かるから・・・・」

「むぅ~・・・」

ふてくされた私を見て、またニコッと笑った健吾・・・

今日何回笑ったかな?

今日何回・・・・貴方と笑いあったのかな?

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