意地悪なヒト
私の隣に並んで外の景色を眺める梶原くん
「いつも外見てんのな」
呟いた梶原くんに
自然と目を向ける
「何見てるの?」
真っすぐに外を眺める梶原くんの横顔が
なんだか清々しい。
「空…見てるの」
つい、答えてしまった。
「空?」
聞き返す梶原くんにコクリとうなずいた。
「空か…なんか、わかる」
スッと空に向けて手をのばす梶原くん
「掴みたくなるんだよね、空」
くっと、指先を曲げる梶原くん
「何、言ってるんですか…?」
「ん?俺の願望?」
ケラケラと笑う梶原くんから
私は視線をずらした。
私と同じ。
一瞬でも、そう思ってしまった自分を
ココロの中で自嘲した。
そんなわけ
同じなわけ
ないのだから…。