意地悪なヒト
「いいんちょは何で、空?」
私を見つめて言った梶原くん
私も、梶原くんと同じ
掴みたいから…。
だけど
「特に意味はありません…」
裏腹なんだ。
いつだって本当のことは隠してしまう。
もう、癖になっているのだ。
「そっか…残念」
残念?
「どうして…?」
気付けば声に出して聞いていた。
「いいんちょーも俺と同じだと思ってたから」
ニッと笑って白い歯がちらついた
眩しい…
なんで、どうして
こんなにも遠いの?
空はあなただよ、梶原くん…。
痛い
初めて、胸に痛みを感じたんだ。