キミ
「お呼びでしょうか?」
「………!」
閉じられた扉の向こう、その雰囲気に、眠そうな顔をしていた大地でさえも、息を呑んだのが分かった。
「急に収集をかけてしまって悪いね。」
「いえ、待たせてしまったようで申し訳ございません。」
愁也様、と私達2人以外の守護者と奏也様が座る先に存在している相手に、静かに頭を下げた。
「いいから、席に座りなさい。」
大地と優妃は、と笑って言った相手を見つめながら、私は礼を述べた後、ゆっくりと目的の場所へと向かう。
「ようやく、全員揃ったようだね。」
それでは話を始めようか、と口を開いた彼に、より一層空気が冷たくなったのが分かる。
愁也(しゅうや)と呼ばれるこの人こそが、絶対的な支配者でもあり、神崎一族を統制している現総帥。
……つまり、奏也様のお父様である。
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