キミ
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奏也様の登校は、幹部の中の2人がペアとなって、護衛につく。
「優妃ってば、凄かったんですよ〜。『訓練と実践は一緒、そんな生半可な気持ちでやってるんなら……死』ごふっ!」
「風香、余計なことは言わなくていい。」
「そこで止められたら、続きが気になるじゃねぇか。」
「気にしないでください。」
風香(フウカ)と呼ばれた少女が、ふがふがと苦しそうにもがいているのに気づいて、静かに手のひらを放す。
「ぷはっ!し…死ぬかと思った!!」
「大丈夫、あんたは死んでも生き返りそうだから。」
ニッコリと満面の笑みで笑った私に、風香は大きな瞳を、キッと吊り上げた。
「ひどいよっ…優妃!」
「一応アンタだって、幹部の1人なんだから。そう簡単に死なれたらこっちが困るじゃない。」
「うぅっ…確かにそうだけどぉ……。」
「だけど、じゃない。」
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