うさぎちゃんの恋
朝セットした髪がオールバックになってるが、今はそれどころじゃない。

いつの間にか私は彼の腰あたりに手を回していた。

「───っ!!」

思わず離そうとしたが、その手は彼につかまれ、行き場を無くした。

「手離したら、危ないからちゃんとつかまってて!!」

お、怒られちゃったよ。

「は、はい…。」

なんか、私…。
結構普通?

それに───こうしてるとなんか落ち着…

「はい、着いたよ!でももう、一時間目始まってるよね」

「う、うん…」


───今私、なんて思った?


「ところで、君」

「え?」

───ドキッ。


そう言ってじっと見つめられた。

何、私ドキッて──。

ううん。いきなり話しかけられたから、びっくりしただけだよ。


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