Cocksure.
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「先輩、」
ここは由緒正しき生徒会室。
とでも言っておこうか。
「先輩、」
「一回で充分」
「すみません…」
そう言って私に申し訳なさそうに
頭を下げるのは後輩の…
「櫻井、」
「はい、なんですか?」
何かと使える櫻井悟《サクライサトル》
「学院便りの生徒会のページ、
まとめてくれた?」
「あぁ、はい」
私は会長の小林祈恵《コバヤシキエ》
「おうやるな、よくできる
副会長くん」
「ありがとうございます」
容姿端麗、どこをどうみても
完璧である彼は学校中で絶大な人気を
誇っている。後輩にも。先輩にも。
おまけに先生にまで
気に入られてやがる。
「先輩?」
「ん?」
「先輩って好きな人いるんですか?」
「え…?」
こんなときに彼氏いるけど、とか
言えちゃったりすれば完璧のところ。
「いないけど」
「そうなんですかー」
こいつ自分から質問しといて
さほど興味なさそうだな。