瓦礫の下に君がいる
一
僕の前を砂利道が続いている。
そこでふみが丸まっていた。
足を三角に折って、砂利を手で払いのけては何かを呟いていた。
「ふみ」
僕が手を上げて妹のふみを呼ぶと、ふみは一瞬、泣きそうな顔をした。
立ち上がって目の前の砂利を綺麗に足でなでると、何事もなかったように笑って手を振り返すふみは、まだ十歳の子供のようだった。
ふみはもうすぐ二十歳になる。
それを知っているのはこの町で僕だけだ。
ふみのたった一人の家族である僕だけなのだ。
両親はいない。
僕は知らない。
ふみと僕は同じ年に生まれて、一緒に育った。
だけど、僕の記憶の限りで両親なんてものはいなかった。
そこでふみが丸まっていた。
足を三角に折って、砂利を手で払いのけては何かを呟いていた。
「ふみ」
僕が手を上げて妹のふみを呼ぶと、ふみは一瞬、泣きそうな顔をした。
立ち上がって目の前の砂利を綺麗に足でなでると、何事もなかったように笑って手を振り返すふみは、まだ十歳の子供のようだった。
ふみはもうすぐ二十歳になる。
それを知っているのはこの町で僕だけだ。
ふみのたった一人の家族である僕だけなのだ。
両親はいない。
僕は知らない。
ふみと僕は同じ年に生まれて、一緒に育った。
だけど、僕の記憶の限りで両親なんてものはいなかった。