瓦礫の下に君がいる
京介はずっと前にいた町で、ふみがまだ成長を続けていた頃、兄弟のように過ごした少年だった。


そんな小さい頃しか知らないのに、どうしてすぐにわかったかと言うと、目の横にある大きな傷だった。


あれはふみがつけたものだ。


「よくわかったな」
 

京介は笑いながらふみを見ていた。


「ふみは変わってないなあ」
 

本当にそのままの姿でふみは十歳からの十年近くを過ごしている。


そのふみは今、とても険しい顔をしていた。


「どこかに行っておしまいよ」
 

そんな風に怒るふみを眺めながら京介は手を出した。


「俺の嫁さんになる約束はどうした」
 

それはふみに向かって言っているはずなのに、京介は僕を見た。


「もらうのは俺だ」
 

そう言った。
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