初恋
ふすまを開ければ、広い部屋が出てきた



赤い着物が畳まれている



「これを着て、初詣に行くのはどうかなーって思ったの。」



ニコニコしながら着物を広げ始めた



「私なんかがいいんですか?こんな綺麗な着物…」



「いいのよ。じゃぁ着替えましょうか。」




そう言ってから15分後、着付けが終わった




「お人形さんみたいね!可愛いわ!これもどうぞ。」


手袋と足袋を渡された



「これも付けましょう」

大きめの黒いリボンを頭に付けて貰った



下駄も履いて、鏡の前に立つと、なんだか恥ずかしかった



「柊城には勿体ないくらいね(笑)」




おばあちゃんはずっとニコニコしていた
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