初恋
玄関から夢子さんが大きな声で先輩を呼ぶと、先輩は上着を羽織りながらこちらに来た



「おぉ!何これ?似合ってるねー」



「夢子さんに着せて貰いました」



「こんなに似合うとは思ってなかったわ(笑)」



「ばあちゃんやるねー♪」



「でしょ。…あ。これお年玉。と、お賽銭ね。」

エプロンのポケットから小さなピンクの封筒を2つずつ取り出して、私達に差し出した




「私なんかが受け取れません。」



頭を横に振って拒否すると、



「遠慮しないで。貰ってくれないと私もおじいちゃんも悲しいわ」



そう言ってから、私に2つの封筒を握らせた



「ありがとうございます」



「いえいえ、行ってらっしゃい」



笑顔で見送られ、家の外に出た



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