白い光


仮にも初恋の人なので
幼なじみとして
彼氏ができたりすることを
素直に喜べない。


今までだって
そうだった。


さやかに
「彼氏ができた~」
と言われた時、
笑顔でいてやれなかった。
逆にそっけなく
してしまう時もあった。


「裕也はお兄ちゃんみたいだね」

こんなことを
言われた時
僕は嬉しかったし
悲しくもあった。


お兄ちゃん程に
思ってくれてるという
喜び、恋愛対象に
見られてないという悲しみ。

複雑に入り組んだ
さやかへの想い。

「ガチャ」

ドアが開く音がした。


周りをほとんど
気にしていなかった僕は
飛び上がった。


「よろしくお願いします。」

面接開始。

さやかのことが
頭から離れなかった僕は
ほとんどちゃんと
答えられてなかったと
思う。


「ありがとうございました」

そういって
部屋を出て
携帯をふと見た。


「着信一件あり」

誰だよ…

「もしもし?」


「機嫌悪っ!!
了一だけど。
今から遊ぼうぜ」


「悪い、今日はいいわ」
そういって電話を切った。

これ以上にないくらい
冷たい態度で接して
しまった。

了一は何も悪くない。


気持ちを伝えなかった
僕が悪いはずなのに
了一に八つ当たりして
しまった。

さらにまだ付き合ってるっていう確証はないのに。



(ごめんな…了一)


心でそう呟いた。
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