この空の下で…
「………」
呆然と彼氏……
いや、"元"彼氏になるのだろうか……。
とにかく彼の背中を見送っていた私は、口の中にあるはずのパンが何味のパンだったのかも分からないぐらい、
ただ、ただ、呆然と座り込んでいた。
どのくらい、そうしていたんだろう?
唾液でふやけたパンが"ポトッ"と音を発て膝に落ちた時、我に返った。
どうしてだろ……。
別れて欲しいって言われたのに、「嫌だ」とも言わず、追いかけることもせず、ましてや、涙を流すこともしていない自分が変に思える。
取り乱して、泣き喚めいたっていいはずなのに……。
大好きだと思っていたはずなのに…。