君とニャンにゃん☆



「……雅人に連れて来られたのか」


質問というより確認
彼は知っているらしい

うなずくと
つまらなそうに顔を背けた



「……先生のこと、好きじゃないのね」

「嫌い」


櫻庭は兄が嫌いだと言う
素直じゃない


兄の方はわりと愛情表現が頻繁
同じ血は流れなくても
その不器用さは櫻庭と似ていた




「……私が先生を好きですって??」


彼は私にそう叫んだ



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