poison strawberry
コンコン、
部屋に響くノックの音
これだけで私は彼と気づける
「きーいちぃ♪」
ドアを開けながら名前を呼ぶと
驚きもしない彼
「さっすがこえり♪
俺の女だけあるぅ~」
本当は冗談でも嬉しいくせに
いつものノリをスルーして
要件は?と聞く私。
「おばぁちゃんが、
部屋表つくって欲しいって
はい。」
そう言って私に差し出しのは
紙と名簿
「これ私にって?」
「うん♪」
すっごく笑顔で答える喜壱
違うよね、
絶対君が頼まれたよね
でも使われてでも
久しぶりに話せたことが
嬉しくて…
「しょうがないなぁ…
プリン一個ねー」
「愛してる♪
プリンは太るからやめとけ♪」
さらっと甘い言葉とイヤミを
残し消えた彼。
必要としてるのは、私だけ
わかってるんだけど……さ。
また悲しくなりながらも
ドアを閉め部屋に戻った。