キミの声で、

「………」

『ぅ…』



なんか、相模くんがすごい見てるんですが…




「あんたさ、」

『はいっ…』




ぅ、わっ…

グッと近寄る相模君

ち、近いよぅ…



「……」



唐突に放たれた言葉は、意外なものだった




「すっげぇ可愛いな!」



ぇ?
なんて、言った?
可愛いっ…?



「童顔じゃねぇか」

「龍…
僕は可愛いと思うけど」

「美人ってより可愛いって感じだな♪」




一人真っ赤になっている私なんてよそ目に言い合っている3人…


『ぅ…』


こうして見ると、みんなかっこいぃ…

私なんかがいていいのかなぁ?




「琴音ー」

『な、なにっ?』

「なに焦ってるんだよー
焦ってるところも可愛いけどさ♪」

『っ……』



なんでそんな台詞サラッと言えるのっ



「ねぇ、入学式…

遅れるかもね」

『ぇっ、あ!時間!』


そーだょ、今日入学式だよっ
奏詩君てば、軽く言うけど…

超大事なことなんですけどっ!



「バカ奏詩、
遅れるかもね、じゃねぇよ」

「そーだよ!
急ごーぜ!」



行こうか

そう言って私に手を出す奏詩君……

『ぇ…?』

「走るから、さ」



手を繋げ、てこと?



「ずりーぞ奏詩!」


そう言って相模君も私に…

「いこーぜ琴音っ」


手を出した。



『ぇっ、あの…』



私がおろおろしていると…


「俺がつれていってやろうか?」



少しだけ口角を釣り上げて、赤羽君まで手を出してきた


な、なにこれっ
みんな格好よすぎるっ

でも、私に手は3つもないしっ


それに、そんな子供みたいに…扱わないで下さいっ




『じ、自分で行けるもんっ…』








この日から、私の人生は大きく変わりだした……












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