Honey Brown




―――キーンコーンカーンコーン


私が心に誓っていると、いいタイミングでチャイムが鳴った。


―――ガラガラッ


「みんなー!自習は静かにできたー?」


なぜかテンションが高いにゃんこ先生。


「先生、俺ら高校生ですよ?当たり前だろ、そんなん」


いつものように答える棗くん。


「でも棗と理衣奈ちゃんはイチャイチャしてたよなー」


そしてまたいつものように答える崎本くん。


…ってはぁ!?


私の視線に気づいた崎本くんは、”しまった”という顔をした。



崎本くん…?

優里と崎本くんだってコソコソおしゃべりしてたじゃない!


人のこと言えないでしょ!


目で優里に訴えた。


その視線に気づいた優里は、何を勘違いしたのかニヤニヤして私を見てきた。


「新井くんと…安田さん?」


ふと後ろを向くと黒い笑顔を浮かべたにゃんこ先生。


「ひっ…ひぇっ!」


思わず変な声が出てしまった。


「ちょーっといいかしらー?」


この後、30分ほど説教をくらった。

もちろんこのことを知っているのは、3組だけである。





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