Honey Brown
リビングを出て、小さい声で話しだした。
「りいりい。勘違いしてるみたいだけど、安那と棗っちはただの友達だよ?」
「うん…分かってるんだけど…」
なんていうんだろ。こうモヤモヤするっていうか…
「ははーん。分かっちゃった」
「え?分かっちゃった?」
「ヤキモチ妬いてるんでしょー?」
ニヤニヤしながら私の頬をぷにぷにしている。
ヤキ…モチ…?
私が!?
誰に!?
「棗っちと安那にヤキモチ妬いたんでしょ?」
「ち、違うよ!大体なんで私がヤキモチなんて…」
「好きだから?」
「へ?」
好き?
私が棗くんを?
「ないないっ!」
「えー、つまんなぁい」
だって私が…うん、ないない。
確かにかっこいいけど、ころころ人が変わるし、急に呼び捨てするし…
好きなわけないじゃない。
そんな人のこと。