Honey Brown


「なんか…私たち…」


「「カップルみたい」」


見事に優里とハモった。

お互いの顔を見合わせ、同時に吹きだした。


「理衣奈、そろそろあたし帰るね。今日はありがとう」


「うん!またメールするね!あ、玄関まで送るよ」


「ん、ありがと」


素っ気ない返事だけど、それだけで充分。

だってそれにもちゃんと愛があるんだから。


階段を下りる音に気がついたのか、リビングからひょこっとお姉ちゃんが顔を出した。


「あら帰るの?気をつけてね!あ、あとまた遊びに来てねー」


「はい、お邪魔しました」


丁寧にお辞儀までするとくるりと背を向けた。



< 217 / 313 >

この作品をシェア

pagetop