Honey Brown
「…棗くん?」
さっきからずっと一点を見て固まっている。
そして心なしか、顔が赤い気もする。
「反則だっつーの」
そう言い、左手で顔を覆い天を仰いだ。
…反則?
似合わなさすぎてってこと?
「棗くん、反則って何が?」
「なんでもねぇ」
「…そっか」
やっぱり気を使って言わないようにしてるのかな…
だったらバシッと言ってくれたほうがマシだよ。
「棗くん。あの…似合わないなら似合わないって言ってくれたほうがいいんだけど…」
あぁ、ダメ。自分で言っといて泣きそうになる。
「…はぁ」
呆れたように、大きなため息をつく棗くん。