Honey Brown



「…棗くん?」


さっきからずっと一点を見て固まっている。

そして心なしか、顔が赤い気もする。


「反則だっつーの」


そう言い、左手で顔を覆い天を仰いだ。


…反則?

似合わなさすぎてってこと?


「棗くん、反則って何が?」


「なんでもねぇ」


「…そっか」


やっぱり気を使って言わないようにしてるのかな…

だったらバシッと言ってくれたほうがマシだよ。


「棗くん。あの…似合わないなら似合わないって言ってくれたほうがいいんだけど…」


あぁ、ダメ。自分で言っといて泣きそうになる。


「…はぁ」


呆れたように、大きなため息をつく棗くん。



< 262 / 313 >

この作品をシェア

pagetop