Honey Brown
「ね、安田さん待って」
乗り込んで近くの手すりを掴もうと手を伸ばしたら、なぜか新井くんに掴まれた。
「ん?」
「え、棗、どした?」
「お前は黙ってろ」
崎本くんにそう言うと再びこちらに顔を向けた。
「あのさ、理衣奈ちゃんって呼んでいい?」
「はぇ?」
なんでそんなこと聞くんだろう。
別に呼びたいなら呼べばいいのに……
「ど、どうぞ?」
「おぉ、マジで!?やった!」とものすごく嬉しそうに喜ぶ新井くん。
すると、崎本くんも呼びたいと言ってきた。
私は別によかったんだけど、なぜか新井くんが「だめだ」と断ってしまった。
なんでだろう…