ノックプリーズ!
撤退してください
「ヤバいヤバい!!どうすんだよっ!」
教室の扉を開ければ、定の声がした。
きっとコンビニにお釣りでも忘れたんだろう。
潰していた上履きを履き直したとき。
「こじろー!お前やっと来たな!!おせぇんだよ」
「どうしたんだよ、急に」
僕のワイシャツの襟を引っ張った定は、良和を手招きした。
「説明してやれ」
「命令すんな!」
良和は相変わらずデカイ手で定をひっぱたき、僕のほうを見た。
「僕は関係ないよ」
「分かってるっつの」
そんなこたぁいいんだよ 良和はため息を一つついて話を続ける。
「俺たちが使ってる部屋、あんだろ?あれ、見つかってよ」