ふるさと
ご馳走さまをした後は片付けを手伝い、そろそろバスの時間だと王子が言うので、お礼を言った。

「またおいで。」
とおじいさんが言ってくれた。

 バス停に行くと、ちょうどバスが来たところだった。王子と僕はバスに乗り込んだ。



***

 気づけばバスは志木駅に着いていて、図書館を出てから10分と少ししかたっていなかった。

 思い返せば奇妙な話だ。
僕は今日、星の王子さま?に出会い、知らない家に連れて行かれ、知らないご老人と美味しいご飯を食べたんだ。途中、バスが光っ瞬間移動するという、SFのような体験だってした。


 僕はバスの中での王子との会話を思い出した。
「今日は楽しかった?」
「うん。まじでうまくて楽しかった。」
「「まじで」って?」
「「とっても」ってことだよ。」
「本当に?よかったー。」
「・・・ありがとう。」
「あと5回は会えると思うよ。それじゃ、またね。」


 本当に不思議な体験をした。だけど嫌な感じはまったくしない。むしろ少しわくわくしてる。
深く考えるのはやめよう。今日はなんだかぐっすり眠れそうだ。

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