キミに届け
4月。
あたしはこの高校に入学した。
彼を知ったのは始まりの日。
金髪碧眼の彼はやはり目立つなんて言葉じゃ表しきれないほどの目立ちっぷりだったから、あたしはすぐに彼を知ることができた。
最初からみんなの視線を奪っていた彼は、どこか楽しそうで、そしてどこか曇りがかった顔をしていたのを覚えている。
事の始まりは、彼が一般に言う〝王子様スマイル〟を女子たちに見せ付け、火をつけたことから始まる。
鼻血ブー、最悪失神して倒れる女子の数に困ったのは教員たちだった。