キミに届け




あたしはぎゅっと手を握り締め、きゅっと唇を噛み締めて前を向く。



勇気を。


小さくていいから、ほんの少しでいいからあたしに――――…




あたしは力強く一歩踏み出した。




「ご注文をお伺い致します」




声が震えていないか心配だった。


表情が強張ってないか心配だった。




〝とにかく笑顔〟と言われたからには、作れなくても笑顔を作らなくてはいけない。



だから必死で作った。



< 105 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop