キミに届け
弱いオモイ
バイトを始めてから3ヶ月がたった。
もうすっかり内容は覚えたし、要領も良くなった。
働くたびにお金が入る。
それが何より嬉しくて、あたしは何かを求めるかのように働きまくった。
あれからというもの、誠くんとは一回も会っていない。
お金を払って時間を買ったり売ったりもしていない。
特にこれと言って買いたいものもないからお金は貯まっていくばかり。
「奈々ってば~最近楽しそうねぇ~」
冴子はモップに体重をのせ、ツーンとあたしを見つめて言う。