キミに届け




言った瞬間、冴子の顔に花が咲いたような笑みが登場。



こりゃ青木さんと何か進展があったんだなと思った。


そしてこれから始まるであろう長話を永遠と訊く羽目になるんだろうなぁ、と思うだけでウンザリとした気持ちになった。



「青木さんがね最近優しいの!」



「へぇ~」



興味があるように返事をする。


冴子のヘソが曲がったら大変だから。



あたしはモップでフロアを掃除する。


冴子の話から逃げるように、あたしは遠く遠くへと向かった。



後ろからはブーブーと不機嫌な冴子の声が聞こえたけど聞こえないフリをした。



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