キミに届け




訊いてちゃいけない。


そう思っているのに、あたしはこの場から動くことができなかった。



冴子の荒々しい声が聞こえてくる。


その声と共に、嗚咽のようなものも聞こえてくる。




「どうしてッ?!」




ついには泣き叫びだしてしまった。



その声は予想以上に辺りに響き渡る。


こんなに狂った冴子を見るのは初めてだ。




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