キミに届け
――――――…
「…―――はい。 今までありがとうございました」
あたしは深く頭を下げてファミレスを後にした。
小さく息を吐く。
冴子がこのバイトを止めるのと同時にあたしもバイトをやめた。
冴子がいなくなったから、なんて理由なんかじゃない。
欲しい物もない。
特に買いたいという物もないあたしは、なぜ働いているんだろうと疑問を持ってしまったからだ。
こんな不安定な心のまま働いて、周りに迷惑をかけることになってしまうのは絶対嫌だからやめる。
それにあたしは関係ないけど、青木さんと顔を合わすのは少し躊躇う。