キミに届け
あたしは小さくため息を吐き、走り出した。
とにかく早く見つけよう。
そしてひたすら謝ろう。
機嫌が良いといいな、と思いながらあたしは次々に空き教室を覗き込んでいく。
けれどどこを探してもいない。
どこにもいないことに腹がたつ。
ゴリ!!
こんなときにどこ行ってんだよッ!!
そんなに体力があるわけじゃないあたしにそろそろ限界がきたときだった。
覗こうとした教室に誰かがいる。
あたしはそれをゴリだとしか思わなかったから、勢いよく教室に飛び込んだ。
けれど目の前に飛び込んできたのは―――…