キミに届け




震える手をしっかりと押さえ込む。


ドクドク激しく動く心臓を押さえる。



初めて見てしまったキスシーン。



誠くんは求められるがままにキスをしていた。



こんなにも胸が苦しくなるとは思っていなかったあたしは、今にも溢れ出しそうな涙を必死で堪えることしかできなかった。



誠くんは普通にあぁいうことをたくさんしているんだろう。


だから相手が誰であろうが構わずに、お金分のことをしているんだろう。




やめて…。



言えない。


言いたい。



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