キミに届け




学校へ飛び込んで。


階段を駆け上がって。



彼がいるであろう1組へ。




そこに彼―――誠くんがいた。




窓にもたれ掛かり、小さく目を瞑っているその姿ですら綺麗だと思ってしまった。



ドキンと胸が跳ねる。


同時にドクンと苦しくなる。



あたしは勇気を振り絞り、一歩そして一歩誠くんへと近寄る。



今しかチャンスはない。


これを逃したらもう訪れない。


何故か分からないけどそう思った。



< 154 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop