キミに届け



近寄って。


勇気を振り絞って。





「キスして」





言葉と同時に。



あたしは誠くんの胸に5000円札を押し付けた。



そのままじっと誠くんを見つめる。



誠くんの表情は硬かった。


いきなりあたしが言ったことに驚いたのか、それとも変な奴だと思ったのかは分からない。



自分でやっておきながら、相変わらずあたしはオカシイ奴だなと思った。



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