キミに届け
「ご…ごめんなさ…」
迷惑がってるに決まってる。
勝手に「キスして」って言って拒んだ女なんかうザいの対象に決まってる。
あぁ…あたし…何してんだろ。
けれど嫌だった。
やっぱり嫌だった。
こんなことをしたら、本当の本当にあの女子たちの中の1人になってしまう。
あたしは勢いよく顔を上げる。
キっと死んでいない目で誠くんを見つめる。
大事なことがあった。
あたしの胸に、確かにここにあった。