キミに届け




これを逃したら終わりだ。


本当の本当に終わりだ。



だから無理やりにでも。


強引にでもやらなくちゃいけない。



けれどあたしの足は悲しくも止まってしまった。



「……ったんです」



「…ん?」



あたしは弾かれたように顔を上げる。



「5000円も払ったんです!! ついて来てっ!!」



本当、なに自分勝手なこと言ってるんだろうと思う。



けれど、今だけは許して。


これが…最初で最後だから。



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