キミに届け
傷つくのはあたしだけ。
苦しむのはあたしだけ。
それを知ってるはずなのに。
結局あたしがいくら頑張っても、誠くんはあたしを女の子の中の1人としてしか扱ってくれない。
所詮〝特別〟なんて無理なんだ。
あたしはぎゅっと目を強く瞑る。
けれど誠くんがあたしの後ろから去っていく気配がない。
足音が聞こえない。
あたしが不思議に思って振り返ろうとしたときだった。
「でも」
誠くんがあたしに言った。
あたしが振り向いたのと同時に。