キミに届け
最初で最後の誠くんと撮ったプリクラ。
大切にしようと思った。
結局イマイチ何をしているのか分からない時間だけが過ぎていく。
嬉しいのか悲しいのか分からない気持ちだけがグルグルと渦巻く。
楽しくしたいと思えば思うほど、これが最初で最後なんだということを実感させられる。
だから悲しくなる。
泣きたくなってしまう。
こんなんじゃだめだ…。
せっかく誠くんがオーケーを出してくれたんだから、楽しまなくちゃ…いけないのに…。
そんなことを思っていたら自然と俯いてしまったあたしの顔を、誠くんは不安そうな顔で覗き込んでくる。