キミに届け




終わる。


終わる。



終わっちゃう…。



泣きそうになるのを必死に堪えて、強く強く目を閉じる。




本当にこれでいいの…?




電車が駅に着く。


こんなにも着いてほしくないと思ったのは初めてだった。



嫌でもドアは開く。


あたし達は静かに電車から降りた。



不思議だ。



誠くんはこの2時間、一度も手を離すことはなかった。



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