キミに届け




温かくなった手。



タイムリミットはもうすぐそこ。


あたしの目の前にまで迫ってきている。



もう少しだけ耐えて…。



「誠くん、ここでバイバイしよー」



あえて明るく言う。


この悲しい気持ちはぜったいにバレてはいけない気がしたから、悲しい気持ちが溢れ出さないように必死に抑え込む。



「ここでいいの?」



「うん。 家すぐ近くなの」



うそ。


嘘だよ。



本当はね、まだ一緒にいたいんだ。



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