キミに届け
帰りに駅前のクレープを食べようと、誘っておいた本人があたしを通り過ぎ走り去った。
何かと思って立ち尽くしていたら、後ろから来た先生に大量のプリントを渡された。
何が何なのか分からないあたしは、ただ強引に押し付けられる大量のプリントと睨めっこするしかなかった。
先生曰く、この仕事は冴子がすることになっているらしい。
けれど面倒がりやな冴子は逃げたらしい。
そしてなぜか分からないけどあたしがやる羽目になってしまったらしい。
結局冴子じゃなくても、誰かやってくれればそれでいいんじゃないかと思う。
なんて最悪な教師、とあたしは口の中で呟いた。
あたしにそのプリントを押し付けた先生は、あたしが断る前にさっさと逃げてしまった。
強引にその仕事を任されてしまったあたしは、サボるなんてことはできずに呆然としたまま立ち尽くすことしかできなかった。