キミに届け
プリントを両手で持ったまま教室へと向かう。
途中で今日は毎月買っている雑誌の発売日と気づいて帰りたい衝動に駆られたが、しょうがないと言い聞かせ、この仕事を終わらせてから帰ることにした。
あたしはエライ子ってレッテルを貼られている。
そっちの方がいろいろとやりやすいから、貼られたままでいいと思っている。
だからここでサボって逃げるわけにはいかない。
だから頑張る。
頑張る…よ。
本気で頑張って何時に終わるんだろうと思いながら、あたしは机にプリントを置く。
「………」
終わらない。
絶対終わらない。
明日絶対に冴子に昼食を奢ってもらうことを決め、あたしはプリントを手に取った。