キミに届け




夢でも見ているのかもしれない。


想いが強すぎて、誠くんがあたしの夢の中に出てきてしまったのかもしれない。



それでもいいと思った。



けれど感じるのは確かな温度。


そして確かなぬくもり。



現実だ、とあたしが言う。


誠くんがここにいる、と心が叫ぶ。



あたしは嗚咽交じりに、



「と…特別は…っ、いらないんじゃ…ないの…?」



必死に言葉を紡ぎ出す。



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