キミに届け




彼に触れようと思えば触れられるチャンス。



けれどそれができないのはあたしが弱いからだけじゃない。



セコイ事はしたくない、という強い気持ちがあたしの中にちゃんとあるからだ。



勝負をするなら正面同士。


後ろから、なんてマネはしないのがあたしのポリシー。




「誠くん…」



3度目。


あたしはしっかりと彼の名前を口にした。



ねぇ。


起きて。


それであたしの話を訊いてほしいんだ。




< 20 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop