キミに届け
その綺麗な蒼い瞳に写るのは―――…
「…だから、もう奈々ちゃんしか見えないって言ってんの」
…―――あたしだった。
止まることなく静かに流れ落ちる涙。
我慢なんてできなかった。
誠くんは恥ずかしそうに、そっぽを向いたまま頬をかく。
頬がちょっぴり赤く染まっていた。
そして1つ1つ、あたしが分かりやすいように誠くんは説明してくれた。
「金が欲しかっただけなんだ。 だから笑いたくないときも笑ってた」