キミに届け




そんなあたしの耳元で、ギュッと強くあたしを抱きしめたまま誠くんは小さく囁いた。



「コレ、お金じゃ買えないもの」



そう言った誠くんをあたしはゆっくりと見上げる。


誠くんの綺麗な金髪が、光をうけてキラキラと輝きを放つ。



少しくらいなら…欲を言ったっていいよね?



あたしは躊躇いながらも口にする。


ずっとちゃんと言いたかった言葉を。



「誠くん」


「ん?」




「…好きっ」




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