キミに届け
自分のことしか考えていなかった。
誠くんの気持ちなんて、これっぽっちも考えていなかった。
両想いになれるとは思っていない。
けれど同時にフラれるとも思っていなかった。
…バカだ。
誠くんの瞳に映ることしか考えていなかった。
誠くんにあたしの存在を知ってもらうことしか考えていなかった。
なんてミスをしてしまったんだろう、と今更気づいてももう遅い。
伝えてしまったからには撤回できないし、「なんちゃって~」なんてふざけた事を言う気もない。