キミに届け
冴子を信じなかったあたしが悪い。
しっかり調査せずに飛び出したあたしが悪い。
それ以前に彼のことをまったく知らなかったあたしが悪い。
悪いのは全て自分自身。
なんて重大なミスを犯してしまったんだろう。
なんて思ったところでもう遅い。
手遅れだ。
「言ったでしょ?」
残念そうな瞳であたしを見つめながら、ため息混ざりに冴子は言う。
その口調からして、呆れているというよりは〝お前ならやらかすと思っていたよ〟という哀れみなんじゃないかと思った。
あたしはそんな〝いかにも〟な瞳で見てくる冴子の視線から逃げるように顔を背ける。